第二十一夜「営業の『量』と『質』」 | ハッピー★レボリューション

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ふつうの女のコが、ナンバーワンキャバ嬢になるまで。
text by 甲賀 香織

第二十一夜「営業の『量』と『質』」(1/4)
17時。
菊地と美里は、いつもの喫茶店で待ち合わせをしていた。

美里の座る角の席からは、比較的空いている店内全体が見渡せる。
菊地を待つ間美里は、すこし離れた席に座っていた女性二人を観察していた。

私服だけど、
あの人は絶対、どこかのお店のママだ……


「あなたね、座っているだけで
お給料がもらえると思ったら、間違いよ。
もっとちゃんと営業してくれなきゃ、困るのよ」

ママと思われる女性が、若い女のコに説教をしている。


その「ちゃんと営業」ってのが難しいんだよね……
みんなそれなりに、一生懸命。
でも、どう頑張っていいのかがわからなくて、
もがいているコが多いんだよね……


この銀座には、ただサボって、楽して稼ごうとだけ考えて働いている女性は少ないと、美里は感じていた。


「あ、美里ちゃん、ごめんごめん!
お客様から電話かかってきちゃってさ、遅くなっちゃった。
で、どう? 新人さんたち」

「どうって……どうなんだろ?
こないだホストクラブに連れて行ってみましたけど」

「そっか、それはありがとう!
あのコたち、お客様の気持ち、少しはわかったかな?」

「そうですね……
何か少し、感じてくれたみたい」

先日のエミの一件を思い浮かべ、美里はニヤリとした。

「あはは。意味深な笑いだな。
そうそう!
今日はさ、僕なりに協力できることはないかと考えてきたんだ。
これ、見て」

菊地はA4サイズの紙を机に広げた。


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