第十七夜「熱意の温度差」 | ハッピー★レボリューション |
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ふつうの女のコが、ナンバーワンキャバ嬢になるまで。 |
text by 甲賀 香織 |
第十七夜「熱意の温度差」—菊地店長の話—(1/4) |
「もしもし」 「もしもし? あ、美里ちゃん? 菊地だけど」 「店長? あれ? さっきまでお店にいませんでした? どうしたんですか、電話で……」 「いやさ、ちょっと話があるんだけど 外に出てこられない?」 「えー、なんですか? あらたまって話だなんて…怖いなぁ。 なんか、怒られるんですか、私…」 「違うよ。 いいから、ちょっと出てきて。 場所はね、7丁目の椿屋珈琲の3階席。 わかる?」 「わかりますけど… 了解でーす。 あと5分くらいしたら行きます」 菊地が美里を呼び出した理由。 それは、美里にマネジメントについて伝えたかったからだ。 菊地のいうマネジメントとは、従業員全員でお店全体を盛り上げていくための方法のこと。 この業界は、営業や接客の方法も出勤日数も、女のコの判断で決めるお店が多く、あらゆることが、個人の資質任せになってしまう。 最低限の規則はあるが、それを破ったとしても、罰金としてお給料から差し引く程度。 そのやり方が、菊地は嫌いだった。 |
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