第十七夜「熱意の温度差」 | ハッピー★レボリューション |
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ふつうの女のコが、ナンバーワンキャバ嬢になるまで。 |
text by 甲賀 香織 |
第十七夜「熱意の温度差」—菊地店長の話—(2/4) |
この業界で働きだして、もう7年か——。 菊地は以前、ある外食チェーンの営業本部で働いていた。 あの時は、あの仕事が嫌で、 辞めたつもりだった… 家に帰れるのは深夜、休日出勤も多く、それでいて、給料は安い。 何より、営業マンに嫁せられるノルマにいつも追いかけられているようで、精神的にもキツい日々を過ごしていた。 けど…… 今思えばアレは、正しいやり方だったのかもしれない。 少なくとも、あの仕事を経由していなかったら、 今この店で店長として働いていることは、なかっただろうな… とはいえ、この業界に入った当初の菊地は、トラブルメーカーだった。 前職やこれまでの経験から、正しいと思うことを同僚の黒服や女のコたちに伝えていた。 しかし、そんな異業界から来た菊地を、従業員たちは冷ややかな目で見ていた。 それどころか、菊地と合わないという理由で、辞めてしまう女のコさえいた。 同僚たちからも、あからさまに距離を置かれた。 唯一の理解者は、オーナーだけだった。 |
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