第十五夜「いつか見た風景」 | ハッピー★レボリューション |
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ふつうの女のコが、ナンバーワンキャバ嬢になるまで。 |
text by 甲賀 香織 |
第十五夜「いつか見た風景」(1/4) |
いつかの、美里のふるさとでの風景——。 美里は友だちの百合と、こんなことを話していたことがある。 高校3年生の美里。 「ねぇ、ねぇ、美里ぉ。 美里は進路どうするの? 「うーん…。 一応、大学行くけど…」 「そんなんじゃなくって、大学の先の進路! 私、英語系の学部にするか、経済学部にするか、迷ってるんだよね…。 美里は、学部どこにするの?」 「え…どこって? 東京の大学で、受かりそうなトコ」 「そっかぁ。 行きたい学部とかないの? 例えば、将来の夢のための学部、とかさ。 私は、将来海外で働きたいと思っているんだよね。 夏休みに短期留学したアメリカが、ほんと良くってさ! 海外で旦那さんもさがしちゃおうかな♪」 「そうなんだ。 私は…カフェの経営とかやってみたいけど、 そんなのいつになるかわからないし…。 とりあえず普通に就職しなくちゃだから、 就活で都合の良い学部にするよ」 美里がカフェオーナーを夢見ているのには、あるきっかけがあった。 ある日、実家の最寄り駅の近くに、カフェができた。 いつも予備校のみんながたむろしているマックとは、まったく違う雰囲気のする、オシャレなカフェだ。 美里は学校も予備校も休みの日に、ひとりでそこへ行ってみた。 |
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