第十五夜「いつか見た風景」 | ハッピー★レボリューション

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ふつうの女のコが、ナンバーワンキャバ嬢になるまで。
text by 甲賀 香織

第十五夜「いつか見た風景」(4/4)
コラム

vol.16 同伴出勤

同伴とは、お店に出勤する前にお客様とお食事をし、一緒に(お客様同伴で)出勤することをいいます。
同伴出勤の日は、お店の営業時間が7時半や8時からでも、8時半や9時に入店することが許されます。
お客様のお支払いする料金は、時間制のキャバクラでは一般的に「同伴料金」というものがあり、女のコの拘束時間分が店内での売上にやや上乗せされ、これは女のコの人気度の象徴にもなります。
また、銀座などのクラブでは、同伴料金というものはないようです。

同伴出勤にもいくつかパターンがあります。例をあげると…
●ダブル同伴…同じ日に二組のお客様と時間をずらして同伴をすること。
●店前(みせまえ)同伴…お店の前(ビルの下など)で同伴出勤時間の5〜10分前に待ち合わせをし、飲食をせずに出勤すること。
※キャバクラでこれをやってくださる方は、よほどあなたにゾッコンor優しい方です♪

お客様側から見た同伴のメリットは、
●仕事の後、飲みに行きたいけれど、特に飲み会の予定もないし、ひとりで食事をするのはさびしいから。
●女のコと食事をしたいけれど(お店とは違う1対1の特別感を味わえるので)、でもその後出勤だから仕方がなくお店にも付き合う。
●ひとりでお店に行く、というのが恥ずかしいから、同伴で行く。
みたいな理由が、主なところでしょうか。

女のコ側からみた同伴のメリットは、
●同伴ノルマクリアのため…月ごとに決められた同伴数をクリアしないと、多額の罰金がある場合があります。
●同伴賞…月内の同伴が一定数まで到達すると、賞金がもらえる場合があります。
●成績…指名数、または売上が、確実にゲットできるため。
●遅刻…店前同伴などのように、個人的な都合で遅刻しそうな場合に、遅刻だと罰金ですが、同伴になると罰金が発生しないので、助けてもらうため(あまり褒められたものではありませんが)
●営業…濃厚(?)な1対1営業がしやすいため。

そして、お店側からみた同伴のメリットは、
●早い時間のお席が埋められる。
●女のコの営業努力の指標として分かりやすい。
と、たくさんありますね♪

また、同伴の際の服装ですが、これはかなり重要です。
私がいた銀座のお店の場合などは、一部上場企業系の方との同伴では、「ザ・ホステス」のような、ド派手な格好で待ち合わせ場所に行くと、目立ちすぎてしまって、たいてい嫌われます(笑)。
反対に、銀座で飲めるステータスを求めてお店にいらっしゃる中小企業の社長様などは、いかにもな格好を好みます。
そんな時は「俺はいい女を連れて銀座で飲んでる!」という気分を、存分に味あわせてあげましょう!

また、お店によっては、そのまますぐに接客ができるように、ドレスのまま同伴に行くことを推奨しているお店もあります。
が、一番目のようなケースではまず嫌がられますし、お食事場所の種類によっては、かなり浮いてしまい、レストランに迷惑がかかる場合もありますので、注意が必要です。

個人的に一番NGなのは、Gパンにニットなどという、ラフな格好で出かけてしまうことです。個性をアピールできていいのかもしれませんが、人気のある女性はやはり王道な、女性らしい恰好をしていることが多いので、あまり推奨できません。

連れて行っていただけるお店は、お客様ご自身で指定される場合もありますし、「どこか予約しておいて」と頼まれる場合も少なくありません。
もし「どこがいい?」と聞かれたら、その方のお財布事情を第一に考え、例えば、自腹で飲んでいる若い方などには安いお店をリクエストしたりなどの気づかいが必要です。


ちなみに…。「ダブル同伴」、私も何度か経験があります。
その場合「他の約束(先約)があるので…」なんて言ってしまうと、お客様は気分を悪くして「じゃあ、いいよ」と言われかねません。
なので「他の日だともっと都合がいいのですが…」と日程変更を促しつつ、都合がつかなそうであれば、先約があることなど絶対に告げずに時間の調整をします。
したがって、都合2食食べることになる場合もあるので、コース料理など、時間や量の調整しにくいものにならないよう、予め調査が必要です(笑)。
せっかくご馳走していただいたものを残すのは失礼ですからね(吐きながら食べたこともあります。←多分これは私だけ)。

もう一つ、今だから笑えるエピソードですが…銀座に入店してから最初の同伴で、ホテルの高級フレンチのお店にご招待いただいたことがありました。
お相手のお客様は、あまりお酒を飲まれない方だったのですが、ワインリストを差し出され、食前だからと、シャンパンを注文しました。
私は元々シャンパンが大好きだったことと、「食前酒だから、食事前に飲み終わらなければいけない」と思い込み、あっという間にほぼ一人で1本を飲み干しました。
その後、再びワインリストが差し出され、「順番としては、白だろう」と、白をボトルで注文しました。
そこでもお客様は一杯しか飲まれず、今度は「白だから、お肉料理の前に飲み終わらないといけない」と思い、一人でほぼ1本を飲み干しました。
その後……そう、ご想像通りです!
赤ワインのボトルを注文し1本飲み、出勤したら、何とハウスボトル!(ハウスボトルではほとんど売上になりませんので…)一気に酔いが回りましたが、それでもしゃんとして接客をこなした私。自分で自分を褒めたいと思います。

その1日でいろいろと勉強になりました。
●その1…営業前には、飲み過ぎるべからず! …当然ですね(^_^;)
●ハウスボトルを注文されたら、(暗黙の了解を促す目的)ややあからさまに手をつけるべからず。

ちなみに、この例でもわかるように、お客様はお金がなくてハウスボトルなのではなく、それでもいい(許される)もしくは、ボトルを入れると女のコがよろこぶ、ということを知らなくてそうしているケースもあるようです。
女のコがよろこぶ=もっと気持ちよく飲める、ということを失礼がない範囲でキャストさんの対応から、感じていただけるような工夫が必要ですね!


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