第十一夜「お店はわかってくれない?」 | ハッピー★レボリューション |
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ふつうの女のコが、ナンバーワンキャバ嬢になるまで。 |
text by 甲賀 香織 |
第十一夜「お店はわかってくれない?」(1/4) |
その夜美里は、布団に入っても眠れなかった。 私は、頑張ってる。 営業時間外だって、店外営業を頑張ってる。 なのに、菊地店長は全然わかってくれない! 佐藤さんも、佐藤さんよ。 一体なんなの!? さんざん人のこと振り回しておいて…!! 今日のことを思い返すと、自然と涙があふれてくる。 さわちゃんは、ただメールをしただけじゃないの! 私の客を取る権利なんて、ないわ! くやしさが怒りに変わり、美里はその怒りの矛先を、メールでオーナーにぶつけることにした。 『オーナーに聞いてほしいことがあります。 昨夜、私のお客様の佐藤さんが、さわちゃんに取られてしまい、 納得がいきません。 私は、オーナーや店長のおっしゃるように、 店外営業も頑張ってきたつもりです。 売上だって、ナンバークラスまで頑張っているのに、 なぜ新人さんに横取りされなくちゃいけないんですか? 菊地店長に言ってもわかってもらえないみたいですし。 ですから、オーナーに直接メールをお送りしました。 私、こんなに頑張っているのに、 なぜこんな目にあわなければいけないんですか?』 オーナーは絶対に、私の味方をしてくれる…… さわちゃんや、菊地店長のことを、きっと叱ってくれるはず。 メールを送ってから2時間後。 そんなことを考えていた美里のもとに、オーナーからの返信が届いた。 『メールありがとう。 美里さんは、最近特に頑張っているらしいね。 菊地君からも事情を聞いた。 しかし、君は勘違いをしているようだ。 お客様は別に、君のものではないし、 新人のさわさんの営業方法も間違っていない。 君は自分の成績ために頑張っているだけだろう? お店は当然、自分の売上だけではなく、 お店に貢献してくれるコを求めている』 なに…この、冷たい返事!? 意味がわからない… こんな理不尽な扱いをされるなんて、裏切られた気分だよ…。 「サイテー!」 美里はベッドに携帯をたたきつけた。 お店、辞めようかな… |
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