第十一夜「お店はわかってくれない?」 | ハッピー★レボリューション

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ふつうの女のコが、ナンバーワンキャバ嬢になるまで。
text by 甲賀 香織

第十一夜「お店はわかってくれない?」(2/4)
その日、美里は初めて無断欠勤をした。
ひたすら寝た。
暗闇の中で目を覚まし、枕元の時計を見ると、深夜二時を回っていた。

もう、お店は終わった頃だ…
店長もオーナーも、私のこと心配してるだろうな…


心配の連絡がたくさん入っているだろうと思いながら携帯をチェックしてみると、着信は一件しか入っていなかった。

「美里ちゃーん。
今日、お店行ったのに、お休みだったね。
残念でした。では、またね!」

留守電を聞いてみると、月に一度だけ来店する、森さんからの着信だった。

え……
それだけ……?

今日は、お店が極端に忙しかったのかな…
それとも、私のことを今、ミーティングしてるのかな…?
でもなんで店長もオーナーも、連絡くれないの?


孤独感がじわじわと押し寄せてくる。

……もしかして『私は必要ない』ってこと?

美里は改めて、オーナーからのメールを読み返した。

『自分の成績のためだけに頑張っている』?
『お店に貢献してくれるコ』って?
どういう意味だろう……?



最近の店での出来事を思い出しているうちに、いくつか心辺りが見つかった。


ある金曜日だった。
お店には、どんどんお客様が入ってくる。

「美里ちゃん、ちょっとこっちの席のヘルプ、お願いしていい?」

「え!? なんで私がヘルプなんて行かなくちゃいけないんですか?
それに、もうすぐ私のお客様来るし…」

「それまでの間だけでいいからさ。ね! お願い!」

「新人があまってるんだから、他の人に頼んでくださいよ」

「そっか…わかった…」

売上にもならないヘルプにつくなんて、あの時は美里のプライドが許さなかった。

今思えば、あの時の真理子さんのお席は、
たまにいらっしゃる重要な接待のお客様の席で、難しい接客だったから
新人じゃなくて、私が呼ばれたんだ…。
なのに、私…



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