第十一夜「お店はわかってくれない?」 | ハッピー★レボリューション |
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ふつうの女のコが、ナンバーワンキャバ嬢になるまで。 |
text by 甲賀 香織 |
第十一夜「お店はわかってくれない?」(3/4) |
「アフター仕切れるコ、いなくって。 フリーの団体のお客様なんだけど、 美里ちゃん、アフター手伝ってもらっていい?」 ある日の営業終了間際、スタッフに頼まれたこともあったが、連日のアフター続きで疲れていた美里は、こともなげに断ってしまった。 でもあれって、もしかしたら フリーのお客様ゲットの、チャンスをくれてたのかも…。 営業時間中のキャストの人数も、お客様より少なかったみたいだし、 行ってあげれば良かった…。 一つ二つと思い出すうちに、ほかにもどんどん出てくる。 オーナーがいう「お店に貢献してくれるコ」に、自分は必ずしも当てはまらないことを、自覚せざるを得なかった。 そして何より、佐藤さんのことは、元はといえば美里自身、れなちゃんから横取りしたようなもの、と言われても仕方がない。 もちろん、美里はそんなふうには思っていなかったが、状況だけ見れば、今回のさわちゃんのしていることと同じだ。 次の日、美里は1時間も早く出勤をした。 そして、菊地店長に会うなり、深々と頭を下げた。 「店長、昨日は無断欠勤してごめんなさい。 あと、オーナーにメールで愚痴っちゃったんですけど、 それも、ごめんなさい。オーナーにも謝っておきます。 佐藤さんの件、1日考えて、 店長やオーナーのおっしゃっている意味が、やっとわかりました。 私、お店のために心を入れ替えて、今日からまた頑張ります!」 顔をあげたその表情は、晴れやかだった。 |
つづく |
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