第二十二夜「次のステップへ。」 | ハッピー★レボリューション

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ふつうの女のコが、ナンバーワンキャバ嬢になるまで。
text by 甲賀 香織

第二十二夜「次のステップへ。」(4/4)
コラム

vol.23 退店の心得

お店を辞める理由は、大きくわけて2つあります。
一つは「オミズ業界から引退する場合」、もう一つは「他のお店に移る(転籍)場合」。
今回はそんな、辞めるときのマナーやルールについてお話しします。

まず、オミズから完全に引退する場合。

(1)退店予定日の一ヵ月前までに、店に退店の意思を伝える
☆できるだけ正直に理由を話す
☆自分の都合で辞めることをお詫びする

(2)引き継ぎをする
☆担当のお客様に、気に入りそうな女のコを紹介する
☆だんだんと、自分が席を離れる時間を長くする

(3)退店月の売上を上げる
☆できるだけ広範囲に告知をする


もう少し詳しく説明しますね。
まず(1)に関しての解説です。
辞める時期をギリギリまで隠していたのでは、いざ退店となった時に角がたちますよね?
せっかく仲良くなったお店の仲間とけんか別れなんて、悲しすぎます。
そこで、辞める時期が具体的になってきたら、店長さんなどにあなたのその後の夢や進路等を相談しておくことをオススメします。
そうすることで、店長が雑談の中などでママやオーナーさんにその状況を伝え、ママやオーナーさんもそれをなんとなく聞き、うっすらと心の準備ができる——という状態になります。
ある程度売れっ子だった場合には、「そうはいっても、どうせ他のお店に行くんでしょ?」と思われるものです。
なので「そうではない」ことを念を押しておいたほうが、円満に退店できます。

余談ですが、「3ヵ月間だけのバイトのつもりです」などと面接の時に言っているコをたまに見かけますが、それは絶対NGです。
期間限定の女のコに、お店は大切なお客様を紹介することはありません。
結果、どうでもいい席にしかつけないので、売上も苦戦したりと、メリットは全くありません。
そんな環境では3ヵ月どころか、1ヵ月ももたないかもしれません。

次に(2)の「引き継ぎ」ですが、通常オミズ業界にはこのような慣例はありません。
しかし、お世話になったお店への恩返しという意味で、最低限できることだと思います。
「お客様は私目当てにお店に通っていた」と思いたいところですが、実はお客様は元来浮気性なもの。
スキあらば他のコとも仲良くしたいと思っているものです。
「○○ちゃんが辞めちゃうの、悲しいな」と言いながらも、一方では「今度はどのコにしようかな〜」と思いを巡らせているものです(笑)。
そこは割りきって、お店のため、仲間のために、自発的に仲人をしましょう!

そして(3)「退店月の売上アップ」——業界から卒業する場合、こんなに美味しい集客のネタはありません(移籍の場合は、次のお店での初月に売上を作りたいものなので、そんなにおおごとにできませんが)。
お客様としても、「最後に行って顔をつないでおけば、引退後にプライベートで遊んでもらえるかも?」という下心もあったりします。
やりようによっては、売上は過去最大になる可能性もあり、同時に、お店へ売上で恩返しができるチャンスでもあります。
お店全体で盛り上げていただけるように、スタッフみんなに協力を求めてみましょう。


次に、他店に移籍する場合のルールについてです。

(1)退店予定日の1ヵ月前までに移籍の意思を伝える

(2)(お店に)意地悪されても、嘆かない。文句を言わない

移籍は、どうしても円満退店が難しいものです。
正直にそのまま「他のお店に行くので」なんて言ったら、それを告げた日から「じゃあ、もう来なくていいよ」と冷たく言われること必至です。
かといって嘘の理由を告げて、街でばったり会った時の気まずさを考えると、それもまたNGです。
ここはやはり最低でも1ヵ月前にはお店側に移籍の意志を伝え、辞めるまでの間はお客様から隔離されることを覚悟の上、出勤することです。
あなたのお客様以外の席に呼ばれないのはもちろんのこと、後を狙う眼の色が変わった女のコたちにそのお客様も囲まれてしまいますから、居場所がなくなってしまうことでしょう。
移籍の場合、意地悪にしか見えないお店側の対応ですが、お店としても「お客様が奪われてしまうかもしれない」という大ダメージのリスク回避のために必死なのです。

とはいえ、このようなあからさまないじわるをした場合、それを見かけた他の女のコは、「自分が辞める時もこうなる」ということを胸に刻むことになります。
すると「退店の意思を伝えないまま急にいなくなる」というケースが頻発することでしょう。
急にいなくなられては、お店も困りますよね?
お店側も、今まで頑張ってくれていた女のコを応援できるくらいに、ドンと構えていただきたいものです。

逆にお店側の立場としてみれば、売れっ子が急にお客様ごと移籍してしまい、お店の売上が激減する、などといったことのないような仕組みを、日頃から築いておかなければいけません。
そのためには、女のコが個別に持つお客様情報を共有できるような仕組みづくりをしておく必要があるのです。
辞めるとわかったキャストのお客様の周りには、眼の色を変えた女のコがよってたかり、急に営業を頑張りだします。
でも、その時から頑張りだしても、お客様にもその裏の意図はみえみえです。
弊社で提供している水商売専用のメールソフト『Legend』は、女のコお客様情報も把握しながら、かつ、全てのお客様に漏れなく営業ができるような仕組みがシステムに組み込まれており、売れっ子が移籍してしまっても、そのコのお客様に営業もできますし、女のコに「自分のお客様以外にも営業をする」という指導内容が100%実践できます。


ちなみに、ママや女のコやスタッフさんととても仲の良かった私も、辞める時はママに激怒されました。
しかしそこで逆ギレせずに、最後までお店に迷惑をかけることへの謝罪と、今までの感謝の気持ちを伝え、最後は売上も好調、円満に退店できました。
ママとは、今でも親しくさせていただいています。

ぜひ皆様も、お互い気持ちよく、平和に退店できるように、最後までキレイに頑張ってみてくださいね☆

最終夜6月22日更新予定
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