第二〇夜「ホストとキャバ嬢」 | ハッピー★レボリューション |
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ふつうの女のコが、ナンバーワンキャバ嬢になるまで。 |
text by 甲賀 香織 |
第二〇夜「ホストとキャバ嬢」(2/4) |
「タカオさんて、どの辺のスポットが詳しいんですか?」 「そうですねぇ、この新宿あたりが実は地元だから、ここら辺詳しいですよ! ってか『タカオくん』でいいですよ!」 「あ、じゃあ、タカオくん! 今度おいしいお店、連れてって。 それと、タカオくんも敬語やめてよ」 「そうだね! じゃあ今度、おいしいお店、紹介するよ!」 「やったー! 約束だよ!」 帰り際、タカオとエミは連絡先を教え合った。 タカオの接客は、普段エミがお店の営業で頑張ろうとしていることが、不思議なくらい自然とできていた。 「で、当然、その日のうちに連絡が来ると思ってたんです。 っていうか、女のコから連絡先を聞いたら、 普通はうれしくて、すぐ連絡しますよね?」 「なのに、来なかったんだ?」 「そうなんですよ! いや、だって私、お客ですよ! あんなに意気投合して、 食事の約束だってしたのに…」 「うんうん。 それで、エミちゃん、どう思った?」 「なんだか逆に気になっちゃって 考えちゃいましたよ。 『社交辞令ってやつ?』 『私何か気分を害するようなこと、言ったかなぁ?』 『いや、単に仕事が忙しいだけなのかもしれない…』 『でも、普通メールする暇くらいあるよなぁ…』 『やっぱ、適当に扱われたのかな…』 とか、それはもう、いろいろと。 でも私、よく考えてみたら、 約束っていっても、具体的な約束はしてなかったんですよね…」 あの店に行った翌日から、エミが仕事の合間に、何度も何度も携帯を開いて確認していたのを、美里は知っていた。 |
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