第十二夜「リーマンショックの衝撃」 | ハッピー★レボリューション

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ふつうの女のコが、ナンバーワンキャバ嬢になるまで。
text by 甲賀 香織

第十二夜「リーマンショックの衝撃」(4/4)
コラム

vol.13 お店で飲むお酒のアレコレ

「銀座のクラブは座って5万!」
よく聞く話です。
しかし、この金額の表現ではまだまだ半分!
ここにボトル代が上乗せされます。

ボトル代は(もちろんお店によって違いますが)、大体原価の5.5掛〜が銀座のクラブの平均値。
例えば、山崎10年で3万7800円(スーパーでは3980円? だとすると、約10倍!)、山崎12年で5万2500円(酒屋さんで7000円くらいだとすると、約7倍でちょっと割安)、ヘネシーVSOPが6万8600円(原価約1万だとすると、7倍弱)、吉四六ですと2万2400円(スーパーでは2千円もしませんから、約11倍)。
このように、高いお酒になればなるほど、ちょっと割安になります。

それにしても、銀座は高い!
そのかわり、ホステスたちはお客様と同じボトルを飲むのが常識です。
もし、違うものを頼むとしたら、シャンパンかワインです。

シャンパンは最低価格で、モエシャンドン3万7800円、有名なドンぺリは8万くらいです。

一方キャバクラは、女のコがカクテルなどを一杯づつ注文する場合が多く、その分が加算されます。
そのため、一見クラブよりも安いように見えるキャバクラでも、最終的には同じくらいの金額になるというわけです。
また、スナックなどは女性が一対一で接客をしないぶん、料金は安くなっているのが一般的で、かつ、ボトルの種類もクラブより限られています。

女のコの中には、お酒が飲めないコもいます。
無理に飲ませようとするお客様は少ないとは思いますが、それでもお客様自身が酔っている目の前でお水を飲まれたのでは、イマイチ盛り上がりにかけます。
そんなときは、お酒は飲めなくても薄めに作り、ちょこちょこと口はつける。
「お酒、飲まないね」とお客様に言われたら、「あまり強くないので」と正直に言ってしまう。
「あまり強くないから、酔ったら何するか、わかりませんよ!? ○○さん、責任とっていただけます?」なんて、少し色っぽい冗談を言っていれば、実際、ほとんど飲まずともお客様は上機嫌なハズ。

ボトルの種類には他にも、業界用語で「チャンボ」(=チャンスボトル)というものがあります。
響きは悪いですが(笑)、いわゆる「あと少しでなくなりそうなボトル」のことです。
これを、新人のヘルプさんは空けようとしないことが多いんです。
その理由を聞くと、

(1)「気がつかなかった」……(えぇぇ!?)
(2)「お客様に悪いと思って」……(実は、お客様にとってもこれはよけいなお世話なのです)

(1)の「気がつかなかった」コには、「気にしておいてね!」とだけ伝えるとして、(2)が意外と多いのです。
その気持ちはわからなくもないのですが……。
そのときのお客様の心境は、だいたいこんな感じです。

「このコ(指名のコ)の成績に、僕は貢献できているのかなぁ…」
「ボトルがちょうどなくなりそうな頃だから、もう帰ろう」(≒もうこのお店には当分来なくてもいいや)
「今回はボトルがもつと思っていたけど、なくなりそうだな。予定外だけど、ま、いっか」
「あ、そう。なくなったの。じゃ、入れれば?」(気がつかない)

かといって、無理して濃いお酒を作ったりしては、お客様は必ず気分が悪くなります。
もし指名のあなたが同じボトルをいただくシチュエーションの時で、かつ「チャンボ」の時は、時間を気にしながら、最初に少し濃い目のお酒を作り(それは頑張って飲む)、本当にあと少しになったら、申し訳なさそうに薄めのお酒を作り、お客様ご自身に「新しいの入れていいよ」と言わせる。
これがスムーズな流れです。

ヘルプの場合は、嫌われ役覚悟で、最後まで「えいっ!」と空けてしまうのもアリだと思います。
無理してお酒を飲むのではなく、「ここぞ」という時を見極めて、お酒を飲むことをお勧めします。

ちなみに、私は元々お酒が半端なく強い上に、トイレで吐きながら飲んでいたので(ホストクラブのドキュメンタリー状態)ナンボでも飲めました(笑)。
失態も皆無です。
私より強い女性やお客様は見たことがないです。

最後に言わずとも…ですが、ハウスボトルはいくら飲んでもお店にとっても自分にとっても何の得にもなりませんので(むしろ、損害です)、勧められても、曖昧な笑顔で「ありがとうございます」と言いながら、お水を飲んでくださいね!
(曖昧な笑顔の裏には、「あなた、ボトルも入れないで何言ってるのよ」という暗黙のメッセージが・笑)

さぁ、年末です!
みなさん、頑張って稼いでくださいね♪


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