第八夜「“時々客”を“常連客”にする方法」 | ハッピー★レボリューション |
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ふつうの女のコが、ナンバーワンキャバ嬢になるまで。 |
text by 甲賀 香織 |
第八夜「“時々客”を“常連客”にする方法」(2/4) |
その日出勤すると、店長にその日の橋本さんからの返信の内容を報告した。 「ええ!? 美里ちゃん、橋本さんのお誕生日、忘れてたの? サイテーだね!!」 「だって、知らなかったんだもん。 いや、正確にいうと、聞いてたけど、忘れてたんだもん。 ていうか、いちいち、みんなの分覚えてらんないよぉ〜」 「そりゃそうだけどさ…。 じゃ、美里ちゃんのお気に入りの、小林さんのお誕生日は?」 「9月11日!」 「ほら、ちゃんと覚えてるじゃん! 美里ちゃんが自分を『特別な存在』と思ってくれていると お客様は思っているんだから、 誕生日くらいはちゃんと知っておかないと。 好きな人のお誕生日や、血液型、それにどこに住んでいるか、 普通は、何でも知りたいでしょ? でも、忘れちゃうってのもわかる。記憶には限界があるから。 だからほかの女のコたちは、お客様リストを作って沢山メモとかしてるよ。 美里ちゃんもそうしなくちゃね〜。このままじゃ、お客様離れてくよ!」 確かに…一度っきりのお客さんたちと話した内容なんて、 ほとんど覚えてないよ…。 その場の会話を盛り上げることだけしか、考えてなかったもん…。 |
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