第一夜「面接」 | ハッピー★レボリューション |
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ふつうの女のコが、ナンバーワンキャバ嬢になるまで。 |
text by 甲賀 香織 |
第一夜「面接」(2/4) |
地図が示すそのビルのエントランスは、意外と質素で薄暗かった。 テレビなどで見る銀座のイメージとは、少し違っていた。 「あの…17時にお約束をしていました川島ですが、店長さんいらっしゃいますか?」 エレベーターを降り、おそるおそる入口から顔だけ出して、店内を見回した。 まだ掃除の前なのか、店内にはおしぼりの束や、掃除機が転がっている。 「あのぉ……」 「はーい!」 奥のほうから、男性の声がした。 「川島ですけど…」 「はい? あーはいはい! 昨日電話くれたコね! こちらにどうぞお座りください。ちょっと待っててね」 想像以上に若そうな店長だったが、 気さくな雰囲気の人で、美里の緊張は少しほぐれた。 スタッフらしき人にウーロン茶を出してもらい、 店内をキョロキョロと見回していると、先ほどの店長が蝶ネクタイを着けながら戻ってきた。 「うちで中箱くらいかな。他の店も見た?」 「い、いえ。こちらが初めてです」 「じゃ、いろいろ聞かせてね。 こういうお仕事自体、初めてってことかな?」 『こういうお仕事』って……? 何を指すのだろうと一瞬気になったが、 水商売全般の経験がない美里は、はい、とだけ答えた。 |
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