病名別一覧(2)

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病名別一覧
子宮頚管炎
子宮には体部と頚部があります。頚部の内側を頚管といい、この部分が何らかの原因で炎症を起こした状態を、子宮頚管炎といいいます。
症状としては、うみのような黄色いねばりけのあるおりものが多く出る。いやな臭いもする。また、子宮頚管は赤く腫れ、ただれたようになるので、セックスのあとなどに出血することもあります。ひどくなると、子宮内にも炎症が広がり、子宮内膜炎を起こすこともあります。
原因は膣炎からの炎症の拡大がもっとも多く、とくに子宮頚部にびらんがあると、感染しやすくなります。また、セックス時、タンポンや避妊リングの使用で細菌が入りこむこともよくあります。
感染を起こしやすい病原菌は、ブドウ球菌や大腸菌などの細菌のほか、クラミジア、淋菌、結核菌など。なかでもクラミジアはかなり増えています。
検査方法:子宮頚部の内診。原因菌の特定のためおりものの培養検査。クラミジアの場合は血液検査でわかる。
治療方法:原因菌に効果のある抗生物質や抗菌剤、消炎剤、膣内の洗浄・消毒
治療期間:約1〜2ヶ月
卵管炎
卵管が何らかの原因で病原菌に感染した状態のこと。卵管は、性器のなかでもっとも炎症を起こしやすい部分です。それは、ほとんどの細菌は膣から頚管、子宮内膜を通り、卵管へと上に上がる感染ルートをとることが多いからです。
また、炎症は卵管にとどまっていることは少なく、骨盤内の腹膜にまで広がり、下腹腔内にうみがたまる骨盤腹膜炎を起こすことが多いのです。
原因のほとんどは、膣炎や子宮頚管炎、子宮内膜炎へと炎症が広がったことによります。
症状としては、発熱と激しい下腹痛、嘔吐、黄色いおりものなどで、高熱が何日間も続くこともあります。慢性化すると、にぶい下腹痛や性交痛などが残ります。やがて後遺症として、卵管閉塞、子宮外妊娠、不妊の原因になることもあります。
検査方法:内診
治療方法:抗生物質、消炎鎮痛剤の投与と絶対安静。
子宮内膜症
子宮内膜(子宮の内腔をおおっている膜)は、生理の周期に合わせてはがれ落ち、新しいものができるようになっています。正常な状態では、このはがれ落ちた内膜は血液と一緒に体の外に出されます。でも、この内膜が、子宮の外側や卵巣、卵管、結腸などに飛び出してしまうことがあります。これが子宮内膜症です。主に20代後半から30代に多く見られます。
内膜が飛び出した先が卵巣内の場合は卵巣チョコレートのう腫、子宮の壁(筋層)の場合は子宮腺筋症と呼ばれます。
このように、ほかの場所に飛び出した内膜は、その場所に残ってしまい、それが周囲の臓器と癒着を起こします。こうなると、生理痛がひどくなったり、生理期間が長くなったり、腰痛などの症状を起こすようになります(卵巣チョコレートのう腫の場合は、反対に期間が短くなったり、量が少なくなることもある)。
そのままにしておくと不妊の原因にもなるので、早めに治療する必要があります。
検査方法:症状と内診、エコー検査(超音波断層撮影)、血液検査
治療方法:手術療法とホルモン療法がある。症状がひどい場合は子宮全体をとることも。
治療期間:ホルモン療法の場合、4、5ヶ月〜1年で症状が軽くなる
子宮膣部びらん
「びらん」とは医学用語で「ただれ」のこと。ただし、実際にただれているわけではありません。子宮頚管部内の組織が、その下の膣部にまで増殖してきたため、ただれたように赤く見えるだけのことです。これは成熟した女性によく見られるごく普通のことで、病気ではありません。
ただ、びらんの部分はデリケートなため刺激に弱く、セックスなどで出血したり、血の混じったおりものが出ることも。また、病原菌の感染を受けやすく、子宮頚管炎が起こりやすくなります。
さらに、内診だけでは子宮頚ガンとの区別が難しいこともあるので、びらんと診断されたら、定期的なガン検診を受けたほうがよいでしょう。
検査方法:細胞診(びらんの一部を綿棒でこすりとり、細胞に異形性がないか調べる)
治療方法:感染による炎症ではないので、薬による治療などはなし
子宮筋腫
子宮の一部がコブのように変化したもの。このコブは良性の腫瘍で、女性の性器にできる腫瘍のなかでは、もっとも頻度が高いものです。30、40代に多いのですが、20代でも発症することがあります。
また、筋腫の大きさは大豆程度のものから、大人の頭までといろいろ。できる数も1個から、あちこちに何個もあったりとまちまち。
コブができると、生理の量が増えたり、期間が長くなったり、不正出血があったりします。さらに、筋腫が大きくなると、周辺の臓器を圧迫しはじめます。生理痛がひどくなり、腰痛や便秘、排尿障害、貧血やめまい、動悸、息切れなども起こります。外見的にもお腹が突き出てきて、自分でもお腹にしこりがあるのがわかるようになります。
検査方法:内診。確定診断のためにはエコー検査やCTスキャン。
治療方法:筋腫の大きさ、できた場所などにより異なる。症状が軽ければ検診のみで様子を見ていく。治療する場合も、ホルモン剤で筋腫を小さくする、もしくは外科手術で筋腫のみ取り出す、あるいは子宮全体をと取り出すなど、病状に応じていろいろな方法がある。
子宮頚ガン
子宮ガンのうち、子宮頚部にできるガンのこと。初期段階の子宮頚ガンは、血の混じったおりものや、セックスのあとに出血があります。進行すると、不正出血、悪臭をともなった黄褐色のおりものが増えます。さらに、腰痛や下腹部痛、血尿や血便、激しい下痢、高熱などの症状が出てきます。
もともと日本人に多いガンで、30代後半から40代に多く見られていましたが、最近では20代でもなる人が増加。統計的には、10代でセックス経験がある、多数の男性と関係を持っている、出産回数が多いなどの女性が、子宮頚ガンになりやすいことがわかっています。
しかし最近では、尖圭コンジロームの原因となるヒト・パピローマ・ウイルス(HPV)の感染が原因と考えられており、尖圭コンジロームにかかった人は、ガンになる可能性が高いといわれています。
検査方法:細胞診(綿棒を膣に入れて子宮頚部をこすって細胞を採取)
治療方法:ガンの進行具合によって異なる。外科手術でガンの部分だけをとる、または子宮をとるなど。
子宮体ガン
子宮ガンのうち、子宮体部にできるガンのこと。初期段階では無症状のことが多く、症状があらわれてガンが発見されたときには、かなり進行していることが多いです。
このガンは、日本人には少ないのですが、生理が上がった50代でかかることが多く、最近は増えつつあります。高血圧、糖尿病、肥満、生理が不規則な人、未婚女性、不妊、出産経験がない(少ない)、高齢出産した女性がなりやすいといわれます。
症状としては、生理が上がったあとの突然の出血、生理が上がる前なら、生理の量が多い、期間が長い、腰痛がひどいなどがあります。
検査方法:細胞診(膣から子宮内に細い管を入れて、内膜の細胞を採取)
治療方法:ガンの進行具合によって異なる。外科手術でガンの部分だけをとる、または子宮をとるなど。
子宮頚管ポリープ
ポリープとは「できもの」のこと。子宮体部や頚部の内膜の一部が増殖し、子宮口からはみ出してぶら下がったようになるのが、子宮頚管ポリープ。大きさは米粒大から親指の頭程度のものまであり、数も1個から数個になることもあります。
ポリープそのものは良性でガン化することはありませんが、まれにガンがポリープ状になっていることもあるので、一応確認する必要はあります。
痛みなどの症状はほとんどありませんが、ポリープの表面の粘膜がやわらかいため、セックスや激しい運動のあとに出血したり、生理のあとにダラダラと出血が続くことも。また大きくなると、その部分まで血液が流れなくなり、組織が壊死して、不正出血することもあります。
検査方法:内診。念のため切除したポリープは組織検査をする
治療方法:ポリープ切除(ポリープの根元をレーザーや電気メスで切りとる。痛みはなく、出血は少量)
卵巣のう腫
卵巣の内部にできる良性の腫瘍のこと。卵巣にできる腫瘍には、主に水のようなものがたまってぶよぶよしている卵巣のう腫と、コブのように硬くなった充実性腫瘍の2つがあります。
卵巣のう腫はほとんどが良性ですが、なかには悪性に変化するものもあるので、注意が必要です。
のう腫が小さいうちは、これといった症状はほとんどなく、こぶし大になってくると、お腹が張ってきたり、しこりに気づくようになります。また、腹痛、腰痛、頻尿などの症状が出ることも。
ただし、卵巣は左右2つあるので、片方の機能が悪くなっていても、なかなか症状が出にくいものです。進行すると、卵巣組織が破壊されるので、排卵障害、ホルモン異常、生理が止まる、量が減る、期間が短くなるなどの症状が出ることもあります。
検査方法:内診。エコー検査(超音波断層撮影)
治療方法:大きくなった場合はのう腫の切除手術。場合によっては卵巣を摘出。最近では開腹しないで内視鏡で手術可能。

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