女性向けAV「SILK LABO」プロデューサー・牧野江里さんによる女性がもっと豊かに性を楽しむための親も学校も教えてくれない保健体育の授業!
48時限目
SILK LABO★Revolution!?(2)
(前回のつづき)女性向けAVに対して「こんなの売れるの?」というモードだった業界の環境が、「男優で売れるなら安くて済むからいい」という流れになってきました。
私はメーカー立ち上げ当初、宣伝部兼SILKのプロデューサーという立場でした。実働も私でしたし、もちろん名目上プロデューサーでしたが、金銭面での権限はほぼありませんでした。早く、一人前のプロデューサーになって、頑張ってくれるエロメンに、少しずつでも還元できないものかと思っていたものです。3年かけて、少しずつ環境は変わっていきました。私がある程度金銭面の権限を握ることができ、予算をやりくりして男優さんのギャラを上げていきました。それでも、彼らの頑張りにしたら微々たるものかもしれないのです。
単体女優さんと同じように、顔がパッケージに載る。名前が商品になる。その対価を、我々の業界はもっとちゃんと矯正していく時が来ていると思うのです。男優さんの仕事に対する適正な評価を。
SILKだからできること。
正直、AVの売り上げは全体的に下火です。いまや、とってもかわいい女のコでもただSEXをするだけでは売れません。元芸能人の肩書であったり、何か付加価値がないと売れなくなってきているのです。今、男優人気でAVが売れるということがあり、それを意識したメーカーも増えています。それでも、男優さんに対する扱いはあまり変わらないのがこの業界です。そんなことを打破できるのって、正直うちみたいな母体がデカイメーカーだけだと思うのです。
うちの母体メーカーは、過去に何度も大金を掛けた企画(50m空中ファックとか…制作費5000万円)で大コケをし、それでも何度も這い上がってきました。「女性向け」というまだふんわりとした危うい市場をさらに大きくするためには、こういう思い切ったことも必要なのだと思っています。AV男優が、単体女優クラスの扱いを受ける時代が来れば、そこに憧れる男子も、もっと増えるかもしれない。長い目で見て、女性向けという市場がもっと活性化するには、このくらいのパンチが必要なんだと。