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モデル、タレントとしての活動を経て、
昨年芸能人専門メーカー「MUTEKI」から
AVデビューした丘咲エミリさん。
ファッション、芸能、AVという世界を見てきて
感じることを語ってもらいました。

Photo:Mika Oizumi Hair&Makeup:Meg Text:Mami Amamiya



裏表のない、クリアな世界自分を最大限に出せる、この仕事が好き。


丘咲エミリ 画像——ファッション誌でモデルとして活動されていたエミリさんですが、きっかけはなんだったんですか?。
「友達と渋谷でお買い物してるときに撮られた雑誌のファッションスナップがきっかけで、編集部経由でモデルのお仕事をいただくようになりました。
 最初は趣味みたいな感覚でやっていたんですけど、本格的にやりたいと思って、モデル事務所に所属して活動し始めたんです。もともと洋服が好きで、デザイナー志望で専門学校にも行ってたんです」

 

——そこからどうしてAVをやることになったんでしょう。
「何でだろうなぁ……。理由は一つじゃないんです。
 前の事務所と金銭トラブルでちょっともめて、不信感もあったし、モデルとしても悩んでる時期だったんです。撮られる仕事が好きだから続けていきたいけど、今のままじゃ難しい状況で……。
 そういうときに『AVって、今までの経歴を活かしてできる仕事なんじゃないか』って思えたんです。ほかの仕事だと、モデルとしての活動は忘れてゼロからスタートだけど、AVならこの経歴を活かせるかもって」

 

——AVっていう選択肢は自然に浮かんできたのでしょうか?
「今の事務所に知り合いがいて、普通に遊びに行ったりしてたんです。そこで説明されーの、口説かれーの、考えーので(笑)。
 全然知らない世界だったから、いろんな人に話を聞いたり、ネットで検索したりしました。
 最初は悩んだけど、進むときって、自分もまわりも進むじゃないですか。『今こっちに流れがきてるな』って感じたんですよね」

 

——この世界に飛び込んでみようと決断したとき、迷いはありましたか?
「最初に考えたのは、親のことでしたね。彼氏はいなかったけど、友達が知ったらどう思うんだろうとか、やっぱりすごく悩みました。結局、最初にお母さんに相談したんですけど、泣かれるし反対されるし……。
 でも『私はこういう気持ちでやりたいと思ってる』っていうことを話して、1~2ヵ月かけて納得してもらいました。
 今は両親ともに応援してくれてるし、友達にも堂々と話してます。それで離れていく人もいたけど、逆に今残ってるのは信頼できる、本当の友達だけだと思えるから、大事にすべき人がハッキリしたっていう感じですね」


——芸能界もAVの世界も経験して、今はどう感じてますか?
「両方やってみて思うのは、アダルトのほうが裏がないってこと。芸能界はやっぱり、表がキレイなだけで裏はいろいろある。AVは、表面はキレイな世界じゃないかもしれないけど、逆に裏表がないって感じます。できることはどこまでかちゃんと線引きできるし、嫌なことを無理にさせられるようなこともない、クリアな世界ですね。
 モデルの仕事は自分よりも洋服を見せなきゃいけないので、自分を出せないんです。ドラマやバラエティでも、なかなか自己主張するのって難しい。それに比べると今のお仕事って、自分を最大限に出せる仕事だな~と感じてます」


——今のお仕事をやってよかったと思うことは?
「ファンの人が圧倒的に増えたこと。モデルだと、『ファンがつく』っていう形で認められることは少ないんです。でも、今はいろんな人の愛情を感じられる。基本、このお仕事が好きなので、毎日お仕事してて楽しいから、特別に何がよかったっていうわけじゃなく、毎日『楽しいな』『お仕事できてよかった』って思ってますね」

 

——では最後に、AV女優を目指している人たちにメッセージをお願いします。
「この仕事って、派手にやればやるだけみんなに知られちゃうから、人生を左右されちゃう部分があると思うんです。だからお金のためだけにやりたいのなら勧められない。
 でも、私はやってよかったと思ってるから、この仕事が好きでやりたいと思うなら、一歩踏み出してほしい。
 勇気がなくて踏み出せないっていうのが本音だと思うけど、最初の一歩だけ踏み出せればあとは進んでいけるものだから」